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株は美人投票


    【株は美人投票】

    この有名な格言は、かの有名な経済学者である【ケインズ(John Maynard Keynes)】が言ったとされる。
    【有効需要の創出】という近代の経済学において計り知れない影響をもたらし、今も各国の経済政策に影響を与え続けているケインズが実は株式投資の第一人者であった事は知る人ぞ知る話。

    ケインズが、株式投資に自身の理論である「有効需要の創出」という考え方をどの程度駆使したのかは定かでは無いが、少なくとも「美人投票」=「需要」という点で喝破している点は流石であると言う他は無い。
    結局は「株」も「国家政策」もどの様に【集めるか】【回転させるか】という事が重要であるのは同じであって、しかもどちらも”一定の信用”に支えられてはいるが、その実体は分かるようで分からない……

    最終的には「人気」=「需要」が発生することに価値を見出すというのは、極めて「民主主義的」な考え方のベースとしても捉えられるのは面白い発想ではあるし、その考え方を貴族出身のケインズが発想したという所に第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて活躍した人物の最先端の意識を垣間見る事が出来るだろう。
    「大衆と共に」=「人気を集める」=「それは美人投票」=「相場もしかり」という構図が第一次世界大戦後の王室の権威の揺らぎと民主政治の興隆という二つの狭間で磨きあげられたとしたならば、彼こそは本当に”自由は何たるか”と言うことについても「株式相場」を通じて体得した人物なのかもしれない。

    そして、ケインズを補足するならば、「美人投票」はそれを選ぶまでが盛り上がるのであって、そこを通過したら実はお祭りは終了してしまうのである。
    大学祭りの「ミス〇○」「ミスター〇○」という催しものも然り、「相場」においてもエネルギーが渦巻く瞬間を「何の機会」と見るか?はその人個人の相場観に他ならないのである。