LINEで送る このページを Google Bookmarks に追加

クジラが三文しても銭がなくば買えず


    【クジラが三文しても銭がなくば買えず】

    どんなに良い銘柄が安くなっていても(捨て値であっても)、自分の手元にお金が無ければ買えない(手出しできない)との意味。

    残念ながら、個々人は用意できる資金が機関投資家などに比べて限りがあるので、結構なポジションを持って相場の暴落局面などに遭遇した場合には、魅力的な安値(自分が欲しいと思う水準の株価)になったり、暴力的に売られた余りにも安過ぎる株価水準にまでなって、折角買うべき「時」が来ても動けないという事はママある。
    それならまだしも、信用の追証で、自己の銘柄までブン投げさせられて追加資金を投入せざるを得ないという、まさに踏んだり蹴ったりの状態に陥ったりもする。

    何かあれば追加資金の手当てをして、「ナンピン」や、新規銘柄の購入などを機動的に出来る(はずの)機関投資家は、そういう意味では個人よりも「時」を無駄にしないということは出来そうである。
    (実際にそうであれば、日本の投資信託は海外並に信頼を得るのだろうが)

    終局的には「日銀」「年金」などの【お国】は、それこそ無限に追加資金が用意できるのであるから【鯨】などとも揶揄される訳だが、ノルウェー政府や、アブダビ投資庁の様に国家一丸となって資金運用を行うという姿勢が本邦にもあれば、また東京市場も違った世界を見せるのだと思うのだけれども、あるのは”一定の数字の株価”というベンチマークなどどっか行ってしまえと思うような「水準」を追い求める事が至上命題になっているようでは、「海の王者」では無く「食べ物の王者」という立場にすらなりかねない。

    ”ゴルゴ13”の話の中に、「(第一次世界大戦中の)旧式の複葉機は最新鋭の戦闘機を撃墜することは決して出来ないが、あちらも(旋回率の加減で)こちらを撃墜出来ない」という件が出てくるが、最近では、意外にも、政府・日銀・年金などと言った【お国】よりも、個人の方が出処進退・小回り・相場観が効いてパフォーマンスが上ということも珍しくは無い。
    もちろん、それは日本市場が個人投資家に優しくないという目を覆うべき環境の中をくぐり抜けてきた猛者たちが残っているという生存競争の勝者達が東京市場に残っているという事が一番大きい要因だと思うのだけれども。

    古来より【資金管理】のことに言及する人物が多いのも(「本間宗久」しかり、「ギャン」しかり)、その辺の事を見越してかと思われるが、チャート分析をしたり情報を集めたりが「営業」的な部分だとすると、資金管理というのは「財務」的な部分ともいえるということだろう。