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鬼より怖い一文新値


    【鬼より怖い一文新値】

    相場がある程度上昇した後に、調整を入れて、再度高値を抜く場面で、その高値が【一文(呼び値の最小単位が、5円なら5円、10円なら10円、要するに一単位と言う事)】しか違わないような場面があれば、その相場は一旦終了であるとの意味。
    相場が自然のモノか、あるいは人為的なモノかはともかくも、「価格」と「エネルギー」と言う事を考えて見た場合に、1回目の山を作り、次の2回目の山が出来て行く際に”僅少”しか高値を更新出来ないとすれば、その相場のエネルギーは弱いと観るべき事となる。

    これが出た際には、その後の上昇は見込めないから「売り」と言う事にもなるし、百戦練磨の相場巧者であれば「空売り」の場面到来ともなる。

    しかし、この格言が当てはまるのは、相当に上昇を続けた(「価格」的にも、「日柄」的にも)相場であって、相場が若い時分には、単純に先の高値を抜いての”のこぎり型”の動きなどと評価される場合もあるので、要は、相場を観る者によってそれこそ解釈は変わってくる。

    故に【相場】なのであるが、それこそ「仕手株」や「手の入った銘柄」などは、わざわざ【一文新値】を作出させて空売りを誘い、その後の”材料出現”で大幅高の燃料にするという”鬼さながら”の値動きを画策する場合もあるので、やはりその銘柄の背景を見ながら手掛けるほかはないだろう。

    ”機械的に”値動きが決まっていれば、これほど楽なモノはないのだが、やはりそこは【相場】ゆえ、楽には儲けさせてはくれないのである。

    相場に「魔(間:真)」は付き物であるが、「魔」とせずに【鬼】としたのが如何にも日本的な感じがする格言なので、結構個人的には気に入っていたりもする。