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2020年02月28日


    ”想定以上の”という枕詞を載せるべきか、それとも”まだまだ”ということの方が良いのか。
    それは、いずれにしても当て嵌まり得るのが”相場の妙”というところだろう。
    適当に相場経験が長いと、特に今回の様な状況(商状)も【いつか来た道、また来る道】になってきて、どのようなスタンスでやり過ごすかは、まさにその相場を生きてきた人それぞれの価値観や見え方による。

    振り返れば、「バブル崩壊(1990年台)」「ITバブル崩壊(2000年)」「9.11」「3.11」などの出来事を思い出せば、各銘柄の値幅や寄り付きは、まさに”暴力的”とでも形容するに相応しいものであった。
    それからすると、確かに、この一週間近くの下げは、日々続く大幅な下げでもあるし、(当然)日本だけでなく、米国の動き、世界の動きも連動しての値動きであるから、いきおい「底なし」「1929年」などの事がさながら流言飛語の様に飛び交うのだが、相場の中身を観ると、今日(2月28日)こそ、それなりの値幅で投げ売られたモノを見かけたが、特に主力どころの銘柄で”ストップ安”などの状況も見られず、実は指数の下げ程には株価が連動はしていない事が良く分かる。
    要は、場中の動きに上下動が少ないからということになるのだろうが、その理由も、上に上げた激烈な下げの一因ともされる「信用買い」「裁定買い」の残高が弱いという事情があるのを踏まえておくべきだろう。
    それゆえ、「下げ幅が甘い」という感覚(体感)にも繋がるのだが、そうだとすればここまで下がる理由としては「肺炎騒動」を基にした「実需の売り」とも考えられるが、それこそ実需の売りでの”キャピタルフライト”が起きるのであれば、それこそもっと投げ売りが主力株に出ても良いことになる。
    この数日の下げは、どちらかと言えば、それまで値を保っていた「株主優待系」の銘柄群に値崩れするものが見られる。
    これをして「賢明なる株主優待銘柄群を扱う個人投資家」が「賢明にも株式市場から撤収する」という判断というよりは、「誰も売らない(ガチホ)株主優待銘柄」に誰かが投げを入れたという程度のことだろうと推察をする。
    そういう意味では、今こそが、それまで高くて買うに躊躇する様な銘柄を買うチャンス到来なのだが、ここで注意すべきは、ここのところの【株主優待銘柄バブル】は、2012年以降のアベノミクスの大きな恩恵を受けている事が前提であり、従来の機関投資家の持ち合いではないが、それと同様の現象が小型株と個人投資家の間で見られているということで、それゆえ必要以上に株価が下がらないということも背景にあったとあれる。
    同様の構造は、主力株と日銀、年金等の公的資金による動きと類似とも言えるが、しかし、公的資金という言わば「負けない胴元」がバックについている銘柄群と、そうでは無い株主優待の小型株とでは、株価形成においてはどうしても貧弱な感が否めない部分がある。
    当然、どちらも「業績」という事の支えがある訳だが、業績の悪化を”織り込んだ”とアナウンス出来たり、資金の循環で、再度、株価を持ちあげる事が出来る主力株とは違い、小型株の場合には「業績」が伴わない場合には「仕手戦」が仕掛けられない限りは、相当の「塩漬け」を覚悟するということにも繋がる。
    「それを見越しての株主優待」などというのも考え方ではあろうが、やはり、自分の保有銘柄がマイナスの状態は精神状態によろしくないし、それこそ何時その株価に戻るのかが分からないという不安も付きまとう。
    回転を利かせる事がすべてではないが、そう言う点では、株主優待銘柄は逆回転に入った際には、主力株以上に大変になるので、これがどの様になるのか?
    それを含めて、今回の下げ局面での一つの見所ともなるなと思うのでもある。

    やや話がそれたが、そういう視点で見ると、主力株の多くは、昨年9月以降の上昇分を打ち消した程度とも観る事が出来、(無論それは大きな事なのだが)その程度と考えれば、特に修正が不能な話では無い。
    それは「株価は需給」という事の究極的な考え方でもあるが、要は、主力株の買い方は「国家」でもあり、今やその株価が「年金」他の財政・金融問題と切り離せないことになっている事を考えれば、それをある程度の値段に維持していく責務を、この2012年以降の政策により負ったとも言えるのであり、何処の時点でそのスイッチを入れるのかという話にもなってくると思う。


    騰落レシオは50台」 (引用:(C)StockBrain)
    のゾーンを超えて突き進む下落は、いずれ修正されると観る。

    【補足】

    ということで、週末のNYをリアルタイムで観ていたが、720ドル下げて寄り付き、その後、再度1000ドル下げて引き戻し、一瞬の勢いでプラスになるのか?と思わせて再度の下落。そしてラスト30分で600ドル近く戻し、Nasdaqはプラス。
    そして、凄まじい出来高を伴っての、「下髭陽線」。
    元々、NYダウは、相場の転換点として下値での「十字線」を観る事が多いのだが、今回の「下髭陽線」も十分に底打ち(下げ止まり)のシグナルとして機能するような気がする。
    (無論、NYダウは30銘柄なので、そもそも論として「操作」しやすいと言われる)
    そして、トランプ&FRBの云々ということで、当局側の株価への意識も伝わった事で、一応の今回の下げは終息するとみたい。
    これが、月曜日以降にどのようになるのか?
    それこそ、米国は下げた分の倍返しの様な動きをしてもおかしくないが(米国は何でもありだと改めて思う)、日本の方は何処まで手を入れるのか。
    上で触れた、「主力株至上主義」でもあるだろうから、先ずはその辺からの動きが注目ということになるのだろう。


    【今日の取引】:

    引き続き、今回の下げ局面で買ったものは”水浸し”であるが、無視して進む。

    「ひらまつ(2764)」が200円割れしたので、すかさず@199円で買い。

    「Gファクトリー(3474)」も300円割れしたので、@285円で買い。

    また、「みずほHD(8411)」もなかなかよさげな値段に来たので@147.2円で買い。